高速バス大手のWILLER(ウィラー、村瀨茂高代表取締役、大阪市北区)は、乗り合いワゴンを利用して近距離移動の足を提供する新交通サービス「mobi(モビ)」を30日から開始すると発表した。2キロメートル圏内の移動を支援する会員制サービスで、個人会員向けに5千円で「30日間乗り放題」のサブスクリプション(定額課金)を用意した。まず京都府京丹後市と東京都渋谷区で提供して地方、都市部両方の運行ノウハウを蓄積し、2025年までにサービスエリアを100地域に広げる計画だ。
村瀨代表取締役はオンライン会見で、同サービスを「コミュニティ・モビリティ」と定義。これまで自転車やマイカー、徒歩で移動していた人に地域移動の足を提供していくと説明した。
個人会員の場合、スマートフォンのアプリか電話で配車を申し込むと、10分程度で迎車が来る。家族会員には一人当たり500円の30日間乗り放題プランを用意した。「一回乗車」は大人300円、子供150円に設定。支払いはクレジットカードか口座振替で、一回乗車は現金も受け付ける。
併せて店舗会員も募集する。30日間2万2千円で客と従業員が来店や営業活動などで乗り放題を利用できるほか、アプリへの店舗宣伝の掲載、店舗前に乗り場を設定などのサービスを提供する。
京丹後市のサービスは30日開始。市内13・5平方キロメートルのエリアで午前8~午後9時にトヨタ「ハイエース」1台を運行する。渋谷区(関東運輸局認可申請中)では7月1日から区内中心部2・93平方キロメートルで午前7~午後10時にトヨタ「アルファード」2台を運行する。車両運行は地元バス・タクシー会社に委託する。
運営は当初赤字を見込むが、1エリアで一般会員200世帯、店舗会員40社以上を確保すれば収支が安定すると見ている。