東海理化とアルプスアルパインは24日、運転中でも操作しやすいディスプレーパネルを共同開発したと発表した。それぞれ自動車メーカーへ提案し、2024年の納入を目指す。

 両社は昨秋、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)車載製品の共同開発で合意しており、今回開発した試作品が第1弾となる。指先や手のひらがパネルに触れる前に検知するアルプスアルパインの静電容量検出技術を使い、指先がパネルに近づくと目当てのボタンを大きくしたり、手のひらをパネル前で振るだけでホーム画面へ回帰するなど、運転中でも安全に操作できるようにした。ボタンを押したかどうかも振動で分かる。

 静電ディスプレーは車載用にも広く用いられ始めているが、試作品は検出精度を大幅に高め、パネルに触れる前に動作することが特徴だ。技術的には非接触で操作することも可能という。表示部の大きさは10・1インチだが、自動車メーカーの要望に合わせて決める。

 両社は今後、耐久性などの検証を今年度内に終え、それぞれ個別に自動車メーカーへの提案を始める。製造拠点なども受注後に決める考えだ。

 東海理化の秋田俊樹執行役員は「運転中でも使いやすく、ドライバーの画面注視を最小限に抑えて安心・安全な移動に貢献できる」と語った。両社は今後も、アルプスアルパインの民生用デバイス技術と東海理化の車載技術を組み合わせ、さまざまなHMI製品を開発していく考えだ。