世界的な半導体不足に加えて工場火災で打撃が広がっている(写真はルネサスの半導体)

 経済産業省は5月中をめどに、世界的に不足している車載用半導体の調達確保に向けて新たな会議体を立ち上げる。四輪・二輪車メーカー14社の調達担当者がメンバーとなり、半導体メーカーの安定操業に向けて自動車メーカーが提示する生産計画や発注の方法を見直す。合わせて品質確認手続の標準化などの可能性を探る。こうした短期的な課題解消に加えて、中長期の安定調達を実現する取り組みも進める。官民が連携して車載用半導体の課題解決を図り、自動車産業の国際競争力の持続につなげる。

 半導体不足の現状を議論するため18日に開いた「新型コロナウイルス対策検討自動車協議会」の第3回会合で、同協議会の下に「車載用半導体サプライチェーン検討ワーキンググループ(WG)」の設置を決定した。新WGには自動車メーカーに加え、経産省から製造産業局自動車課、半導体を所管する商務情報政策局情報産業課が参加。官民で車載用半導体を取り巻く現状を確認し、調達改善につながった事例などを共有する場とする。

 足元の車載用半導体の調達不足は、新型コロナウイルス感染症の影響で世界的にデジタル化が加速し、民生機器用の需要が増大したことが一因とされる。国内では車載用半導体大手の工場火災による生産休止で打撃が広がった。

 さらに車載用半導体は発注が数カ月単位で他機器向けよりも短いため、半導体メーカーは安定的な生産が難しかった。自動車メーカー各社は、WGでの検討結果を生かして、発注単位の長期化など半導体メーカーの体制にマッチした仕組みに改善する考えだ。

 また、災害による生産休止などで、他の半導体メーカーが代替生産する場合には、自動車メーカーと品質や性能を確認する「製造工程変更手続」が必要になる。ただ、この確認項目や書式が「各社バラバラな状態になっている」(経産省)という。半導体メーカーにかかる代替生産の負担と準備期間を減らすため、自動車業界で手続きの標準化を検討する方針だ。

 車載用半導体について経産省は「直ちに大変になるわけではないが、今年から来年にかけて気を引き締めて取り組む必要がある」と厳しい状況を示した。こうした中、これまで計画的な生産を継続してきたトヨタ自動車が18日夜、2万台規模の減産を公表し、影響の広がる様子が浮かび上がった。同WGでは当面、短期課題の解決を中心に議論を進め、夏頃には一定の方策をとりまとめる考えだ。