シートに内蔵する荷重センサー

 村田製作所は、幼児置き去り検知システムを開発する。同社が乗員検知向けの製品を開発するのは初めてとなる。米オリジンワイヤレスと協業し、Wi―Fi(ワイファイ)の電波を活用した乗員検知システムを開発する。また、自社技術でシートに内蔵する荷重センサーも開発する。いずれも、欧州の自動車安全テスト「ユーロNCAP」が幼児置き去り検知を試験項目に加える予定の2022年にも実用化する方針だ。

 Wi―Fiを活用したシステムでは、人工知能(AI)開発のオリジンワイヤレスと協業する。Wi―Fiの電波の反射変化から車室内の物体を検知。同時に、反射変化の周期性から微細な動きや呼吸まで検知することで、置き去りにされた幼児を検知する。毛布で覆われた子どもや床にいる子どもを検知できるほか、既存のWi―Fiシステムを使用可能なため、「導入のハードルが比較的低いのでは」(村田製作所)と見ている。前方と後方の2カ所からWi―Fiの電波を出力することで、車室内を全てカバーできるという。

 荷重センサーは、心拍や呼吸などのバイタルサインを検知し、人と物を識別する。呼吸数から子どもと大人の識別もできる。また、「低消費電力での稼働が可能」(同)という。

 日本では、夏に車内に置き去りにされた幼児が熱中症の疑いで死亡する事故が相次いでいる。全日本遊技事業協同組合連合会によると、こうした車内放置死亡事故は、1998年以降30件発生しており、08年からの11年間では8件に上るという。このような事故は日本に限ったことではなく、欧州の消費者団体が手掛ける自動車アセスメントのユーロNCAPは、幼児置き去り検知を22年にも試験項目として加える方針を示している。