次世代モビリティ車両では素材にも機能性が求められる可能性が高い

 森下仁丹は、医薬品で培ったカプセル技術を生かし、自動車部品向けプラスチック素材の高機能化に取り組む。自動車部品用途のプラスチック素材に香りや蓄熱機能を付与したり、軽量化剤としての活用を提案する。自動車向け素材は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)の進展を背景に、快適性や衛生環境などを高める高機能化が求められている。同社はさまざまな成分をカプセルに内包できるコア技術を生かし、次世代モビリティ車両の実現に向けた技術開発をサポートする。

 同社がプラスチックの高機能化に取り組むのは、粉末や液体、微生物などあらゆるものを包むことができるシームレスカプセル技術を産業分野で拡大展開し、事業強化につなげるためだ。現在、活用領域は自動車や建築、電子機器、生活用品などに広がっており、樹脂硬化剤内包カプセルや香料内包カプセル、蓄熱材内包カプセルなどが利用されている。

 自動車向けとして応用展開を見込むのは、部品材料となるプラスチックの高機能化だ。樹脂に練り込めるシームレスカプセルを活用することで、フレグランスや蓄熱材といった機能を持たせることができる。樹脂成形後でもカプセル形状を維持するタイプや、成形時の圧力でカプセルを崩壊させるタイプがあり、液状物質を練り込んだり、内包成分の揮散性を制御できる特徴も持つ。

 蓄熱剤内包カプセルは、温度変化を緩やかにする効果があり、熱交換器など熱マネジメント領域での活用を見込んでいる。

 車両電動化の進展によって高まる軽量化ニーズへも対応する。中空カプセルを樹脂に配合することで、軽量化はもとより、エネルギー消費量の軽減、炭素排出量の削減にも寄与できると見ている。

 カプセルは㍉㍍から㍃㍍サイズまで粒子サイズを使用用途に応じて調整できるという。自動車業界がCASE、MaaSへの対応を進める中、同社はカプセル事業の拡大展開に向け、プラスチックの高機能化を進めることで、次世代モビリティの実用化をサポートしていく。