日本自動車連盟(JAF、藤井一裕会長)は、「信号機のない横断歩道」における歩行者優先の遵守について実態調査の結果をまとめた。調査は今年8月に実施。各都道府県2カ所ずつ、合計94カ所の信号機が設置されていない横断歩道で通過車両(9434台)の様子を調べた。全国合計では歩行者が渡ろうとしている場面で「一時停止した車」は2014台(21・3%)となり、一時停止率は前年調査に対し4・2㌽増加した。ただ、依然として約8割が「止まらない」状況のため、交通事故防止に向けて歩行者優先の周知が必要な様子が浮かび上がった。

 調査は2016年に開始。一時停止率が最も高かった長野県は、過去最高となる72・4%となった。一時停止率が全国平均を上回ったのは23道県だった。

 ワーストスリーは宮城(5・7%)、東京(6・6%)、岡山(7・1%)で、この3都県は停止率が10%未満だった。

 交通ルールでは、横断歩道に近づいた車両は横断する歩行者がいないことが明らかな場合を除き、その手前で停止できるよう速度を落として進むことが求められている。さらに、歩行者が横断歩道を横断しようとしている時は、横断歩道の直前で一時停止し、横断を妨げないようにしなければならないという「横断歩道における歩行者優先」のルールが定められている。

 さらに、横断歩道の手前に停止車両がある場合、その側方を通過する車両は、横断歩道の前で一時停止しなければならないとも定められている。

 JAFは、ドライバーに歩行者優先の再確認を促すとともに、歩行者が横断しようとする際、左右の安全を確認した上でドライバーに横断する意思を示すことが安全の確保で重要だとした。