豊田章男会長

日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)は11日、日英両政府が経済連携協定(EPA)に大筋合意したことを受けて、「40年近くにわたる日本と英国の深く互恵的な貿易、技術、投資関係が一層強化されるものと期待している」と声明を出した。

日本と英国間の貿易は現在、日欧EPAに基づく優遇関税が適用されているが、英国の欧州連合(EU)離脱に伴って、日英が新たな協定を締結しなければ2021年1月以降の関税が引きあがる可能性があった。

このため、両政府は6月に新しいEPAの締結に向けた交渉を開始。3カ月間の交渉の末、11日夕方に茂木敏充外務大臣とトラス国際貿易相がオンラインで会談し、大筋合意に至った。2019年2月に発行した日本とEUのEPAを踏襲する内容になっており、乗用車の英国輸出にかかる関税は26年に撤廃する。自動車用部品の92%(品目ベース)は発効後すぐに関税を廃止する。

日英両政府は署名と議会の承認を経て21年1月1日の発効を目指す。豊田会長は短期間で大筋合意に至ったことに対し、「将来のビジネス環境の予見可能性が確保されることになる」と歓迎の意を示した。

自工会によると19年度(19年4月~20年3月)の英国への四輪車輸出台数は19万7900台。欧州向け輸出の約2割を占めた。