東京モーターショーでは130万人のお客様にご来場いただくことができました。一方、せっかくお越しいただいたお客様にご不便もかけてしまいました。ただ、各社が所有するバスを持ち寄るなど、そうした時に自動車メーカー各社がワンチームでお客様の方だけを向いて即時即決で対応を決められました。会社の壁を越え、こうした動きができたからこその130万人だったとも思います。

 オリンピック・パラリンピックが開催される2020年、東京を舞台にした自動運転の実証実験も始まります。技術をさらに高めて、2年後のモーターショーでは自動運転車が会場間を走ったり、町全体が体感ブースになっているような、そんなモーターショーを実現していきたいと思います。

 昨年は新しい時代の幕開けとなった年でしたが、度重なる自然災害や交通事故など、明るい気持ちでばかりではいられない年でもありました。より安全で、安心なそして全ての人が移動することを楽しめる、そんなモビリティ社会の実現に向けて、今年以降もみんなで取り組みを加速させていければと考えております。

 CASEの流れは思っている以上に急速に進むかもしれません。しかし、世の中がどう進もうとも、われわれの武器がモノづくりのチカラであることは変わらないと思っております。リアルの世界を持っているからこそ、様々な産業からも仲間になっていこうと言っていただける…そして、多くの方が笑顔になれる未来に向け、努力していけるのだと思います。2020年も、モノづくりの力を磨き続け、新たな仲間とも一緒になりながら未来を目指してまいります。

 また、モノづくりを守っていくためにも自動車税制のことはさらに力をいれてやっていきたいと考えております。昨年10月に税制が変わりましたが、それでもまだ米国の30倍のレベルです。われわれはなんとしても日本のモノづくりを守りたい。その力は必ず国のために役に立ちます。CASEが進めば、クルマの存在の幅は広がります。税制も抜本的な見直しを考えていかなければいけません。2020年はそうした議論も進めていきたいと考えております。