ソフトバンクは2019年11月11日、本田技術研究所と、商用レベルの環境での5G(第5世代移動通信規格)のコネクテッドカーの技術検証で、無線検証やユースケースの検証など、さまざまな条件で安定して通信できることを確認したと発表した。

技術検証は、本田技術研究所の北海道上川郡のテストコースで。5Gの実験基地局を設置して商用環境を想定したノンスタンドアローン標準仕様で構成する5Gネットワーク環境を構築した。5Gネットワークの通信インフラには「3GPP リリース15規格」に準拠したノキア製通信機器を使用、車載器はクアルコム製の5Gモデムを使用した「コネクテッドカー・リファレンス・デザイン」を使用、商用環境レベルで検証した。

無線検証では停車した状態で、通信方式の組み合わせを変えて品質を検証した。走行試験では車両の速度を30km/h、60km/h、100km/hに変えて、通信方式の組み合わせごとの通信品質や、基地局の切り替え(ハンドオーバー)を検証して最適なパラメーターを探った。ケーブルの取り回しや、アンテナの設置位置、本数、種類なども変えて通信品質を検証し、5G接続での最適な組み合わせを探った。

また、ユースケースとしては、見通しの悪い交差点での周辺車両の位置情報伝送、前方車両の急ブレーキ情報を後続車両への伝送や車載カメラ映像を基に道路上の落下物を特定し、周辺車両へ伝送する検証を行った。高画質な4K映像の伝送や、車載カメラの二次利用などについても検証した。

今回の技術検証では、最大1Gbpsのスループットを達成したほか、車載器から5Gネットワーク外にあるアプリケーションサーバーへのネットワークの遅延は平均17ms(1msは1000分の1秒)以下を実現した。

また、さまざまな環境で安定した通信を確保でき、5Gとコネクテッドカーの親和性が高いことを確認したとしている。