ホンダは、軽自動車「N-WGN」の電動パーキングブレーキの問題で生産を停止している影響から、2020年3月期の国内四輪車販売計画を、前回から5万5000台マイナスの64万5000台に下方修正した。インドの販売も低迷していることからグローバルでの四輪車販売は前回予想から13万5000台マイナスの497万5000台と、500万台を割り込む見通し。

ホンダは、N-WGNの電動パーキングブレーキの部品供給に支障が出たため、N-WGNの生産を停止した。部品の供給体制を整えて、2020年初頭に生産を再開する予定。同じ部品を一部機種に搭載する予定だった新型「フィット」も11月下旬に発売する予定だったが、この部品を代替することに変更、2020年2月に販売を延期した。この影響で今期の四輪車の国内販売計画を5万5000台下方修正した。

ホンダの倉石誠司副社長は「(N-WGNの)開発時から(部品の)量産ラインを見極めていたつもりだったが、できていなかったことは反省しており、今後、品質確認体制を見直していきたい」と述べた。

国内やインド、パキスタンの四輪車販売計画を見直したこともあって2020年3月期の業績見通しは、売上高を前回予想から6000億円マイナスの15兆0500億円、営業利益を800億円マイナスの6900億円に下方修正した。営業利益は、売上げ変動・モデルミックの変動で前回予想より306億円の減益効果を見込んでいる。

一方、2019年4-9月期連結業績は、二輪車の販売低迷や、円高による為替差損の影響で、営業利益が前年同期比8.0%減の4726億円と減益となった。

四輪事業のグループ販売台数は、北米、欧州で低迷したものの、日本、アジアが好調で、同0.4%増の256万2000台と微増だった。二輪車事業は、アジアで低迷したことから同6.1%減の1001万9000台だった。汎用機などのライフクリエーション事業も同6.5%減の243万5000台と落ち込んだ。この結果、売上高は同1.8%減の7兆7253億円と減収だった。

当期利益は同19.0%減の3688億円だった。