トヨタ自動車が11月7日に発表した2019年4-9月期連結業績は、新車販売が順調に推移したことやコスト削減などの効果から、営業利益が前年同期比11.3%増の1兆4043億円と大幅増益となった。河合満副社長は記者会見で「継続的に体質強化に取り組んできた結果が現れた」と述べた。

連結販売台数は日本、北米、欧州で「RAV4」や「カローラ」などの新型車の販売が増加して同5.0%増の463万9000台と過去最高となり、売上高も同4.2%増の15兆2855億円と過去最高となった。

収益では為替変動で900億円、労務費の増加や研究開発費の増加などの諸経費の増加で1200億円など、減益の影響があったものの、新車販売の増加や金融事業の改善などで1850億円、原価低減で600億円などの増益効果でカバーし、営業利益は大幅増益となった。

国内は新車販売が好調だったのに加え、北米もトラック・SUV系の供給体制を改善したことや、インセンティブを抑制したことで大幅増益となった。アジアはインド、インドネシアの販売が低迷して減益だった。

当期利益は同2.6%増の1兆2749億円と過去最高。増収増益は3期連続となった。

通期見通しは、連結販売台数を前回予想から5万台引き下げて895万台に下方修正した。日本やその他地域は増える見通しだが、インド、インドネシアの販売が前回予想を大幅に下回る見通し。

通期見通しの売上高、営業利益、当期利益は前回予想を据え置いた。為替変動の影響を原価改善や金融事業の改善などでカバーする。

トヨタの近健太執行役員は「(4-9月期の)営業利益率9.2%はレベルとしては少し実力以上」と評価した。