ホンダは10月23日、「東京モーターショー2019」で、スモールカーの新型「フィット」を発表した。八郷隆弘社長は新型フィットで「新しい時代のコンパクトカーのスタンダードを目指す」と述べた。フィットはホンダのグローバル基幹モデルで、4代目となる新型車には「アコード・ハイブリッド」に搭載している2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-MMD」の小型車用を開発して搭載する。国内には今秋に販売する予定だったがドラムタイプの電動パーキングブレーキシステムの供給量が不足していることから市場投入が2020年2月にずれ込む。

ホンダは現在、軽自動車「N-WGN」の電動パーキングブレーキシステムの供給量が不足していることから生産と出荷を停止している。新型フィットには、N-WGNと同じドラムタイプの電動パーキングブレーキシステムを、一部のエントリーグレードに設定していたが、調達量を確保できないことが判明。このため、フィットは全グレードをディスクブレーキに変更、日本市場投入を来年2月にずれ込む。ライバルであるトヨタ自動車の「ヤリス」(旧ヴィッツ)も2020年2月に販売する予定で、ライバル同士がほぼ同時期の販売となる。

新型フィットは、室内空間を広く確保できる「センタータンクレイアウト」を踏襲、運転しやすさにこだわってAピラーを細くして広い視界を確保した。フィットはグローバルでホンダの主力モデルで、2001年に初代を投入してからグローバルでの累計販売台数が750万台以上。

一方、生産を停止しているN-WGNも、調達先のドラムタイプの電動パーキングブレーキシステムの生産体制の改善を支援し、2020年年明けから生産を再開する予定。

現行モデルのフィットは1モーター方式のハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-DCD」を搭載しているが、新型車では発電用と駆動用の2つのモーターを搭載、「アコード」に設定しているi-MMDを搭載する。

ホンダは2030年に四輪車の世界販売の3分の2を電動化する目標を掲げている。2018年のプラグインハイブリッド車を含むハイブリッド車の販売比率は7%だったが、2030年に50%と、半分に増やす計画で、中でも燃費効率の高い2モーター方式のi-MMDをスモールカーからSUVまで幅広いモデルに展開していく方針。