ファナックと日立製作所、NTTドコモの3社は9月2日、共同で第5世代移動通信方式(5G)を活用して製造現場を高度化する取り組みを共同検討することで合意したと発表した。まずファナックの本社工場(山梨県忍野村)と日立の大みか事業所(茨城県日立市)の製造現場で、5Gの電波伝搬測定と伝送の実験を実施する。

ファナックの工場ではCNC装置、ロボット、工作機械と5G接続と無線制御を検証し、日立の工場では制御ネットワークへの適用性や高精細映像のリアルタイム共有などによる遠隔保守作業支援を検証する。

高速・大容量、低遅延、多数端末との接続が特長の5Gを、さまざまなセンサーで取得したデータの一括収集や、機械の制御に活用、製造現場の全体最適化や生産効率向上、工場・プラント内の自由なレイアウト変更への対応など、製造領域でのIoT(モノのインターネット)化を進める。

ファナックは、製造現場で使用される各種機器をネットワークで接続し、これらから生み出されるデータをリアルタイム処理、活用することで、スマートファクトリーの実現を目指している。スマートファクトリー化に向けて自動化工場で5G活用の可能性を検討するとともに、今後、自社の工場内でも5Gの活用を検討する。

日立は工場・プラントの自動化や作業者支援への無線技術の応用などに取り組むとともに、工場・プラントに適した5G対応ソリューションや無線網構築サービスを検討する。

ドコモは厳しい要求条件のある工場・プラント内での5G活用に向け、一般向けネットワークと産業向けに特化したネットワークの連携も含め、スマートファクトリーでの最適なネットワーク環境の実現に向けて検討を進める予定。