ディーラーの団体である日本自動車販売協会連合会では、販売の現場で消費増税が話題にのぼるケースがないこともあって「現状では駆け込み需要は発生していない」と認めた上で「秋ごろにかけて、量販タイプの新型車が投入されるのを待っているのでは」と予想する。今後、トヨタの「カローラ(セダン)」や、ホンダのスモールカー「フィット」、日産の小型SUV「ジューク」、マツダの小型SUV「CX-30」など、国内には注目の新型車が相次いで投入される予定だ。

ディーラー各社は、これら新型車が起爆剤となって消費増税後、市場が活性化することを期待する一方で、「駆け込み需要も発生していないのに、増税で消費が冷え込み、市場が落ち込む」ことを警戒する。日本自動車工業会が今年3月に発表した2019年度の国内新車需要見通しは、増税前の駆け込み需要と、その反動減を加味して前年度比2.0%減の522万台と予想している。

2019年1~7月の新車市場は、前年同期比1.2%増の321万台と前年を上回っている。駆け込み需要は発生していないものの、前年を小幅ながら上回っている。駆け込み需要がなかっただけに、反動減も発生しなくて、自工会の予想に反して国内市場は前年を上回る可能性もある。当面は消費増税後の市場動向が注目される。