三菱自動車が11月5日に発表した2025年4~9月期決算は、売上高は前年同期比3.5%減の1兆2612億円、営業利益は同81.0%減の172億円で、92億円の最終赤字となった。主力市場のASEAN(東南アジア諸国連合)に加えて、豪州や北米での販売減、米国の関税などが影響した。ただ、下期は、SUV「デスティネーター」の販売地域を拡大するほか、国内での新型「デリカミニ」の投入効果で、上期のマイナス分をカバーする見通しだ。
世界販売台数は、同6%減の38万4000台。国内と中南米・中近東・アフリカを除くすべての地域で前年実績を下回った。ASEANではフィリピン市場が底堅い一方で、主力のタイやインドネシアで需要が減少した。
営業利益は、関税影響で277億円、為替で384億円、台数・車種構成で130億円の押し下げ要因となった。関税影響は7~9月期で133億円だった。
通期の見通しは、売上高を前回公表値から400億円減の2兆8200億円と下方修正した。利益項目はすべて据え置いた。
オランダの中国系半導体メーカー・ネクスペリアによる出荷停止については、11月半ばから影響が出る可能性があるとした。加藤隆雄社長は「日々、情報をアップデートしながら代替品を確保して対応に努めている」と話した。


