自動運転タクシー

日の丸交通と日本交通は、ZMPが開発したシステムを搭載した自動運転タクシーと、羽田/成田空港のリムジンバスを連携させた移動サービスを、2019年11月に2週間にわたって実証する。日の丸交通は昨年8月、六本木と大手町を結ぶルートで、自動運転タクシーの実証実験を実施した。運賃は1500円の定額で、13日間で95回運行し、345人が自動運転タクシーを体験したが「無事故・無違反で実験を完了した」という。日の丸交通の富田和宏社長は「自動運転はタクシーの需給バランスの調整弁として活用したい」としており、すべてを自動運転化するのでなく、ドライバー不足の部分だけに活用する方針だ。

今回の実証は自動運転タクシーと空港リムジンバスを組み合わせた移動サービスを、スマートフォンのアプリで一括予約できるようにして、利用者の利便性を評価する。タクシー事業のコストの内訳では7割以上が人件費で、車両コストは2割程度。自動運転タクシーによって車両コストは上昇するものの、人件費を抑制できる。さらに、自動運転タクシーに、他の交通機関を組み合わせたMaaSでの事業を展開することによる輸送需要の拡大も見込む。自動運転タクシーによって運転手不足の課題解決とともに、事業採算性改善の可能性を探る狙いもある。ZMPでは2023年には自動運転タクシーの実用化を目指している。