Azit(東京都港区、吉周優代表取締役)は、那須高原次世代交通協議会(片岡孝夫会長)と協力し、モビリティプラットフォーム「CREW(クルー)」を提供して栃木県那須塩原市と那須町で、観光客の移動手段として相乗りサービスを提供する実証実験を、2019年7月から実施することで合意したと発表した。実験後、利用者アンケートを実施して本格展開を検討する。
実証実験では、観光客の増加によって移動手段が不足している「那須塩原駅」と、観光エリアとなっている道の駅「那須高原・友愛の森」周辺を起点に、住民や観光事業の社員らが自家用車を使ってドライバーとなり、移動サービスを提供する。
モビリティ・プラットフォームのクルーは、移動したい人と近くの登録ドライバーをマッチングするサービス。アプリを使って出発地点と目的の場所を設定するだけで好きな場所まで送ってもらうことが可能。マッチングが成立して目的地に到着すると、乗った人はガソリン代の実費とシステム利用料を支払うほか、任意で謝礼を支払うこともできる。
実証実験後、登録ドライバーやサービス利用者にアンケートし、本格導入を検討する予定。
那須塩原市は、温泉や自然豊かな景観を楽しめる観光地で多くの観光客が訪問している。特に新幹線が到着する時間帯の那須塩原駅周辺や、道の駅「那須高原・友愛の森」周辺では、多くの移動の需要が発生しており、タクシーなどの公共交通機関が不足している。住民などが自家用車を使った相乗りサービスを提供することで、移動需要に対応するとともに、地域の活性化を図る。
同協議会は栃木県那須塩原市と那須町の交通について、横断的な協議を実施できる体制を構築した上で、行政区を越えた産官学連携で次世代型の交通対策事業を検証・検討・推進して実施することを目的に設立された。