トヨタ自動車は、開催中の「ラリージャパン2025」のイベント会場内で、水素エンジンを搭載した「GRヤリス ラリー2 H2コンセプト」を日本初披露した。今夏に行われた世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」で初公開した水素ラリーカーで、「GRヤリス」の1.6リットル直列3気筒エンジンを水素燃料に対応させている。
この水素ラリーカーは、トヨタのWRCチーム「トヨタガズーレーシングワールドラリーチーム」(TGR-WRT)で、ラリー競技専用車「GRヤリス ラリー2」のシャシーをベースに開発された。エンジンのインジェクターや燃料配管を水素対応品に変えるとともに、高圧水素タンクをラゲージルームに搭載するためにロールゲージ設計にも変更を加えている。
車両はTGR-WRTの本拠地があるフィンランドで組み立てられるが、水素対応仕様に改良したエンジンや、燃料電池車「ミライ」と同様の70MPa高圧水素タンク、水素充填口などは日本から送っている。
国内最高峰の耐久レース「スーパー耐久シリーズ」に参戦する水素マシン「GRカローラH2コンセプト」は液体水素仕様だが、GRヤリスは気体水素を使用する。
トヨタは現在、水素を燃料にするレースマシンとして、S耐に参戦するGRカローラH2コンセプトのほか、世界耐久選手権(WEC)への参戦を目指すテストカー「GR LH2レーシング・コンセプト」も開発している。



