イタリアのフェラーリは10月9日、2030年時点のラインアップに占める電気自動車(EV)の比率を20%に引き下げると発表した。22年に公表した従来計画では40%だった。EV市場の成長鈍化を踏まえ、エンジン搭載車を軸に新商品を投入する方針に変更する。需要の見込めるモデルのラインアップ強化やカスタマイズサービスの拡充などで、30年にEBITDA(税引き前・利払い前・償却前利益)を25年の27億2000万ユーロ(約4800億円)から36億ユーロに引き上げる目標だ。
投資家向けのイベントで30年に向けた中長期の経営戦略を発表した。商品面では26年からの4年間で年間平均4台の新型車を投入。同日スペックを発表した同社初のEV「エレットリカ」などEVの投入も進めるものの、ハイブリッド車(HV)やガソリン車への投資も継続する。発表ではV型の6気筒、8気筒、12気筒のエンジン開発を継続するほか、代替燃料との適合開発を進める方針も示した。
また、27年に内外装などを顧客の要望に応じてカスタマイズするための拠点「テーラーメイド・センター」を東京とロサンゼルスに開設する方針も示した。「パーソナライゼーション」と呼ぶ独自のカスタマイズサービスを提供し、売上高や収益の拡大につなげる。