CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年9月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングで自動車業類は27カ月連続でトップテンを逃した。今回の対象期間の2025年8月20日~9月19日に放映された全CMは2502銘柄(前月比52銘柄増)。このうち自動車業類は62銘柄(同12銘柄増)だった。
CM総研は、今回の注目CMに2020年4月度以来、5年5カ月ぶりに自動車業類首位を獲得したダイハツ「タント」を選んだ。9月度に放映された3作品の1つが、吉高由里子がインテリアショプで〝一目ぼれ〟したロッキングチェアを購入する新作。そのCMではチェアを車に運ぶ店員が「(車内に)入るかなあ」と心配するも、吉高が「入るんだなあ」と応じ、大きく開いたスライドドアから楽々とチェアが積み込まれるシーンを描いた。「ミラクルオープンドア」のテロップとともに、スライドドアの開放感と室内空間の広がりを印象的にアピールした。
支持層は男女ともに幅広く、CM好感要因は「商品にひかれた」「映像・画像がよい」がスコアを伸ばした。視聴者は「日々の暮らしの中に車があると楽しいだろうなと思った」などとコメント。「タントと。」というコピーなどを通し、日常に寄り添う表現が視聴者に届いたようだ。
また「東京2025世界陸上競技選手権大会」に運営車両を提供したホンダは、新作9本を投入。陸上トラックのシーンから始まる「走るんだ。何度でも。」篇は、世界陸上の番組内でわずか6回放送しただけで視聴者の反響を獲得。同時期に展開した「プレリュード」の新作は、CM総研の調べでは1997年6月度以来、約28年ぶりに視聴者の興味をひいた。赤いプレリュードが街を駆け抜ける作品で、10月度以降の視聴者の反応に注目したい。
(次回は11月14日付)