CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年8月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは日清食品「カップヌードル」が2カ月連続の首位で、自動車業類は26カ月連続してトップテンを逃した。
東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象・商品購買の意向などを聞いた。今回の対象期間の2025年7月20日~8月19日に放映された全CMは2450銘柄(前月比62銘柄減)で、このうち自動車業類は50銘柄(同6銘柄減)だった。
自動車業類では、コスモ石油が天ぷら油などの廃油から作り出す「SAF」(持続可能な航空機用燃料)のCMで初の自動車業類首位を獲得し、同社歴代最高の好感度スコアを記録した。CM総研はこの作品に注目した。
イメージアップCM「こすも亭」シリーズの第2弾。賀来健人がてんぷら店の店主役を演じる。今作は、てんぷら店を訪れた女の子が「(旅行で)飛行機に乗ったんだよー」とうれしそうに話すと、エビを揚げる賀来が「はっ!もしやその飛行機、ここの油で飛んでるかもよ」と返す。女の子は不思議そうな顔をするが、二酸化炭素(CO2)排出削減の取り組みの一つがSAFだと分かると「やるじゃない!」と笑顔で応じる。天ぷらの食感「サクッ」と「SAF」をかけて、環境問題を身近に感じさせている。
支持層は幅広く、特に60歳代以上女性が高スコア。CM好感要因は「出演者・キャラクター」「時代の先端を感じた」が伸び、「企業姿勢にウソがない」で好評価となった。同社が国内で初めて量産化を実現したSAFを通して環境対応に積極的な企業姿勢を分かりやすく音とストーリーで表現した。「こすも亭」シリーズの視聴者の反応は良く、今後の展開にも注目したい。
(次回は10月3日付)