マツダと中国・長安汽車との合弁会社、長安マツダは、共同開発の「新エネルギー車(NEV)」第2弾となるSUV、「EZ―60」を発売した。電気自動車(EV)と、レンジエクステンダー(航続距離延長装置)型のプラグインハイブリッド車(PHV)の2タイプを用意した。価格は約12万~16万元(約250万~335万円)。
今年4月の「上海モーターショー2025」で初披露し、長安マツダ南京工場で8月から生産を始めた。路面状況に合わせて減衰力を調整するサスペンションや、ルーフ部などに1470メガパスカル級の冷間プレス材を採用するなどして走行安定性と安全性を高めた。回路線幅が4ナノメートルの先端SoC(システム・オン・チップ)を使い、音声認識の精度も向上させているという。
長安マツダによると、EZ―60は8月末時点で4万台の受注を得るなど好調だ。共同開発車は今後さらに2車種を発売し、計4車種展開とする方針。欧州や東南アジアへの輸出も計画している。第1弾のEVセダン「EZ―6」は「マツダ6e」として4月に輸出を始めている。
マツダは3月に公表した「ライトアセット戦略」で、車載電池への投資額について、長安汽車との共同開発車の活用などで当初想定の7500億円超から半減させる計画を示している。世界販売に占めるEV比率は2030年時点で25%(約40万台)となる見込みだ。