川崎重工業のガスコージェネレーションシステム(写真は川重神戸工場パワーセンター3号)

 マツダは30日、国内拠点でのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に向けたロードマップを見直すと発表した。本社工場(広島県府中町)の自家発電設備を、当初計画のアンモニア専焼からガスコージェネレーション(熱電併給)に切り替える。燃料はLNG(液化天然ガス)を原料とする都市ガスだ。安価で安定した燃料調達により、着実にカーボンニュートラルを目指す。

 従来、活用を目指していたアンモニア専焼は技術確立に時間がかかるため、すでにサプライチェーン(供給網)が確立しているLNGにする。

 ガスコージェネレーションシステムは川崎重工業製で、マツダの工場に合わせた仕様とする。発電効率の高いガスエンジンと総合効率の高いガスタービンを併設。総合効率は現在の石炭火力の2倍となる8割を目指す。この設備はバーナー交換のみで水素燃料も活用できる。

 マツダは、国内工場の石炭火力利用を30年をめどに廃止する方針。本社工場はガスコージェネレーションシステムに切り替えるが、防府工場(山口県防府市)の電力は全量を中国電力から購入する。地元企業と連携しながら国内でのカーボンニュートラルを実現する。

 今回の計画見直しで、二酸化炭素排出量の削減目標も変更した。従来は「2030年度に13年度比で69%」としていたが、同「46%以上」にした。35年にグローバル工場でのカーボンニュートラル達成の目標は据え置いた。