ダイハツ工業は8月25日、電動車いす「eスニーカー」を同日から発売すると発表した。歩行速度のモビリティで、免許返納後の高齢者などの移動手段としての活用を見込む。価格は41万8000円(非課税)で、年間販売500台を目指す。本社(池田)工場(大阪府池田市)で生産し、ダイハツディーラーやダイハツショップ、業販店で取り扱う。
車両サイズは、全長1130×全幅645×全高985mm。取り外し可能なリチウムイオン電池を搭載し、満充電時の航続可能距離は12km。最高速度は時速6kmのため、道路運送車両法では歩行者と同じ扱いだ。
電動車いすでは、スズキ「セニアカー」、トヨタ自動車「C+walk S(シーウォークエス)」を発売するほか、「WHILL(ウィル)」は複数タイプの電動車いすを展開しており、ダイハツは後発となる。
eスニーカーは、乗車時の目線の高さやスタイリッシュなデザインを強みにシェアを高めていく考え。シートの高さはユーザーの身長などに合わせて3段階に変更できるようにしたほか、急旋回や坂道での自動減速などの機能も備える。
同日、本社(同市)で開いた発表会で井上雅宏社長は「ちょっとした買い物や家族・友人とのお出かけを気軽に楽しんでもらえる、楽しく、良いパーソナルモビリティに仕上がった」と自信を示した。
eスニーカーは、関西・大阪万博の会場での移動手段として150台を提供している。7月末時点までに約2万人が利用したという。