中央発條は、2030年度に今の2倍以上となる91億円の営業利益を目指す。3月に藤岡工場(愛知県豊田市)で起きた爆発事故を受け、安全確保に向けて投資を積み増す一方、新型スタビライザーなどの高付加価値製品の開発や北米・インド、アフター市場など成長分野にも積極投資していく。
北浦啓一新社長が30日、名古屋証券取引所で会見し、新たな中長期経営計画を公表した。「安全基盤投資」には総額で280億円を投じる。生産を継続しつつ各工場の老朽更新や修繕を実施できるよう、新工場にモデルラインを設けて一時的に生産移管できる体制とする。こうした「意志ある固定費増」のため、現計画で掲げた27年度までの主要KPI(評価指標)を見直し、同年までは今の営業利益率4%を維持する。
成長戦略投資に約200億円を投じ、30年度には営業利益率を7%まで伸ばす。新型スタビライザー「オッズ」やパワーバックドア用精密ばねなどの高付加価値製品の拡販やライン投資を強化するほか、北米やインドでは材料の現地調達化を進め、自動車メーカーの新規開拓を狙う。タイではシャシばねなどのアフター市場に進出する。
同社は今年、創業100年を迎えた。北浦社長は「信頼していただけるよう、次の100年を見据えて再出発する礎になる計画とした。一丸となって取り組む」と語った。