豊田自動織機が、トヨタ自動車やグループ企業の実施するTOB(株式公開買い付け)による買収提案を受け入れる方針であることが5月19日に分かった。トヨタなどはメガバンクの融資も活用し、月内にもTOBを実施する。豊田自動織機の株式非公開化の第一報が4月25日に報じられてから、同社の株価は上昇しており、19日終値時点の時価総額は約5.4兆円にのぼる。買収額は6兆円規模となる可能性がある。
豊田自動織機はトヨタの源流企業で、2024年9月末時点でトヨタ株を約9%保有し、トヨタは同社の株を約24%保有する。豊田自動織機は近年、株主の海外ファンドから資産の有効活用を求められている。非公開化により経営の自由度を高めるとともに、中長期的の戦略に取り組みやすくするなどの狙いがあるとみられる。
同社の関係者は「内部の人間はおおむね好意的に受け止めている」とする一方で、「トヨタがフォークリフト事業までをコントロールすることは考えにくい」とも明かす。今後、豊田自動織機がトヨタL&Fカンパニーとして展開する産業車両や物流ソリューションの事業については分社化する可能性もありそうだ。
豊田自動織機は「現時点で何ら決定された事項はなく、今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかに開示する」とコメントした。