日本精工は12日、ステアリング事業を手掛けるNSKステアリング&コントロール(NS&C、大竹成人社長、東京都品川区)を9月1日付で完全子会社化すると発表した。NS&Cは投資ファンドの下で経営の改善を進めていたが、再び完全子会社とすることで事業環境の変化への対応力を強化する狙い。株式の取得額は非公表。
日本精工は現在、NS&Cの株式のうち49.9%を保有し、持分法適用会社としている。日本精工はステアリング事業について独ティッセンクルップと合弁会社設立に向けた協議を進めていたものの、2023年5月に中止。その後、投資ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)にNS&Cの株式の50.1%を譲渡していた。
経営の改善状況について日本精工は「収益性の改善やガバナンスの見直し、モニタリング体制の強化にめどが立った」としている。その上で、自動車部品に関わる事業環境の変化を踏まえて、日本精工が主導する形で引き続き協業先の検討を進める考えだ。