日本精工は12日、独ティッセンクルップとステアリング事業での合弁会社設立について、基本合意書を締結したと発表した。出資比率はティッセンクルップが過半数を占める見込みで、2022年度中に最終契約を締結する。両社のステアリングのラインアップを合わせることで、多様化する顧客ニーズに対応するとともに、スケールメリットによるコスト競争力向上につなげる。

 日本精工は小型と中型車向けに使用されるコラム電動パワーステアリング(EPS)が強み。ティッセンクルップは中型車と大型車に搭載されるラックEPSが得意で、製品ラインアップを互いに補完できるとする。

 両社のステアリング事業規模は直近3年間の平均で、日本精工が1500億円、ティッセンクルップが20億 ユーロ (約2700億円)。合弁会社への出資比率は事業規模や同事業展開での有効な体制を含めて最終決定する。

 ティッセンクルップは製鉄など素材事業に強みを持つ。従業員数は10万人以上で、世界56カ国で事業展開している。