腕に装着したり、ランドセルや帽子に取り付けたりできる
走行を検知すると、保護者のスマホに知らせる
トヨタ自動車新事業企画部事業開発室の立川杏奈氏と加藤貴裕主幹(右)

全地球測位システム(GPS)で子どもの現在地を確認できる「見守りGPS」。子どもが小学校に入学するタイミングなどで、安心・安全のため購入する保護者も多い。トヨタ自動車は、交通安全をサポートする独自機能を備えた見守りGPS「SayuU(サユー)」を開発。名鉄百貨店(名古屋市中村区)で体験会を開いた。

サユーはモーションセンサーを搭載したGPSで、その名の通り、交差点での「左右」確認を検知する。子どもは興味のあるものを見つけると、突然走り出すことも。子どもの走行や左右確認を検知すると、保護者のスマートフォンに通知。通話やチャットでリアルタイムのやりとりが可能なだけでなく、帰宅後に親子で行動を振り返り、安全意識を高めることもできる。

2020年に新規事業の公募制度に応募し、プロジェクトを進めてきた新事業企画部事業開発室の加藤貴裕主幹は「先進運転支援システム(ADAS)などのクルマ側からのアプローチだけでなく、歩行者側からも事故を減らす取り組みが必要だ」と述べる。実証を進める中、現在地確認の頻度を上げたり、バッテリーの駆動時間と機能を両立させるなど、保護者の声を反映した改良を重ねてきた。

記者が親子で体験したところ、小型パネルをスワイプして通話やチャット機能を利用するなどの操作を直感的に行えた。本体とケースで50グラムと、子どもがランドセルや腕につけても負担にならない軽さも嬉しいポイントだ。

現在は先行モニター販売中で、今後もユーザーの声を生かして改良していくという。加藤主幹は「将来的にはクルマやインフラと協調することにより、事故低減につなげられたら」と語った。

(堀 友香)