ホンダは4月23日、「上海モーターショー2025」で中国市場向け電気自動車(EV)「イエ」シリーズの第2弾となる「広汽ホンダGT/東風ホンダGT」を世界初公開した。同シリーズのフラッグシップモデルと位置付ける。運転席と助手席で異なる移動体験ができることを特徴とする。また、電動化や知能化について、現地企業との協業を進めることも公表。中国企業の先端技術やスピード感を生かし、市場ニーズにあった車両の投入を加速する。

GTは、昨年の北京モーターショーで「GTコンセプト」として披露していたが、今回はより量産モデルに近い車両を公開した。運転席ではレーシングマシンのようなコックピットを採用して運転に没入できる空間とした。一方、助手席には遠焦点ディスプレーを採用し、それぞれの移動体験価値を高めたという。

電動化や知能化では、現地企業との連携を強化し、最新技術を投入していく考えだ。先進運転支援技術では、モメンタとともにNOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)技術の共同開発を進め、今後中国で販売するすべての車両に投入する。

AI(人工知能)では、イエシリーズすべてにディープシークの技術を生かす。すでに発売した「P7」「S7」にはOTA(オーバー・ジ・エア)で対応するための準備を進める。

電動化では、CATL(寧徳時代新能源科技)とリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池と「セル・トゥ・ボディ(CTB)」を共同開発する。これらの技術はイエシリーズの第3弾モデルに採用する計画だ。

ホンダで中国本部長を務める五十嵐雅行執行役常務は「協業する中国企業の強みやスピードを取り入れながら、技術や商品の開発を進化させ、最新の生産技術と合わせてホンダならではのモビリティ価値を創造していく」と語った。