日本自動車教育振興財団(JAEF、内山田竹志理事長)は、2025年度の事業計画を公表した。工業高校の教育支援では、正しい工具の使い方を学んでもらうことを狙い、デジタルトルクチェッカーを新教材に採用。さらに日本自動車整備振興会連合会(日整連)と連携し、生徒を対象とする整備技術の〝出前授業〟を初めて実施する計画だ。研修事業の講師派遣は前期比29件増の390件を予定する。これらを通じて将来のものづくりや自動車業界を担う人材育成への貢献を目指す。
同財団はコロナ禍以降、団体の賛助会費が減額され、教育支援の量的な拡大が難しくなるなど厳しい状況が続いている。このため今期も実効性の向上に重点を置き、活動を展開する。
技術教育支援事業では、3年ぶりに九州・四国・甲信越・一部東北エリアを対象として110校への教材提供を予定する。同エリアでの提供件数は16年度および19年度の96件を上回り過去最多となる見通しだ。
技術系の講師派遣は、過去最多だった前期に対し2件多い60件とする。日整連と連携して行う出前授業は、工具の使用方法をはじめとした基礎技術の習得に加え、整備士への関心を高める内容とする。合わせて自動車整備の基礎の紹介動画を制作する。
研修事業では、これまで年間複数回行っていた教員研修会を1回に絞るなど運営方法を見直す。ただ、今期は富士スピードウェイ(静岡県小山町)を会場に体験走行などを実施。そこで教員が感じたモビリティの魅力を生徒に伝えてもらうことで、自動車業界を目指す人づくりにつなげていく考えだ。合わせて今秋開催される「ジャパンモビリティショー」への高校生誘致にも取り組む。講師派遣は電動車や交通安全など16テーマを設定した。