独コンチネンタルは、産業向けの材料などを手掛ける「コンチテック」部門について、2026年中にもスピンオフ(事業の分離・独立)させると発表した。コンチテックは「売却が最も可能性の高い選択肢」としている。現在、自動車部品部門(オートモーティブ)のスピンオフも進めており、コンチネンタルは「タイヤに特化したグローバル企業になる」と説明している。
コンチネンタルは、タイヤ、コンチテック、オートモーティブの3部門で展開している。2部門の分離に伴い、タイヤ事業に絞った企業になる形だ。
ニコライ・セッツァー最高経営責任者(CEO)は「当社は過去30年、的を絞った買収と有機的な(自社としての)成長を利用して、3つの強力なグループセクターを構築してきた。これらは今、独立の準備ができている。今日のダイナミックな市場では、集中的で機敏かつ断固とした行動も求められる。今こそ、当社の歴史上最も広範囲な再編を開始するのに適切な時期だ」とコメントした。
コンチネンタルは24年12月、オートモーティブ部門を25年末までにスピンオフすると発表。25年4月の年次株主総会で承認を得た後、同年第3四半期(7~9月)末までに準備を完了させるとしている。同部門の株式は上場される見込みだ。
コンチネンタルは、グローバル従業員数が19万人弱で、24年の連結売上高は397億ユーロ(6兆4600億円)。このうち、オートモーティブ部門は従業員10万人弱、24年の売上高は194億ユーロ(約3兆1500億円)。産業向けの材料ソリューションなどを手掛けるコンチテックは、従業員約3万9000人、売上高は約64億ユーロ(約1兆400億円)だった。