東芝は8日、電気バス(EVバス)など向けに、放熱性能を2倍にすることで、高入出力と長寿命を両立した駆動用リチウムイオン電池「SCiB」のモジュールを開発したと発表した。4月中旬以降、国内外の市場に投入する。

 同社のSCiBは負極にチタン酸リチウムを採用することで、安全性や長寿命、低温性能、高入出力などを実現し、ハイブリッド車やEVバス、クレーン車などで実用化している。今回、底板に初めてアルミニウムを採用することで放熱性を従来品の2倍に高めたモジュール製品を開発。短時間での連続高入出力と寿命維持の両立を図った。

 底板は従来、樹脂材料を使用していた。アルミは熱抵抗が低く、放熱性が高いものの、導電性がある。このため独自の新構造を採用して、電池セルとの絶縁性を確保した。

 短時間で高い電力を連続して入出力することが求められるEVバス向けなどを中心に供給を目指していく。