住友ゴム工業は19日、タイヤの耐久性能に関わるゴムの破壊メカニズムを解明したと発表した。シミュレーション技術により、ゴム材料に生じる「亀裂現象」の要因を明らかにした。研究データをもとに、タイヤの耐摩耗性向上につなげる。

 独ドレスデン工科大学と共同研究を実施し、シミュレーション技術を使ってゴムの亀裂先端にかかる力を解析した。亀裂拡大の要因として、膨張変形によりゴム亀裂の先端で発生する微小な空洞が成長したりすることを突き止めた。

 従来の引き裂き試験などによるゴムの耐久性評価では、亀裂先端の微細な構造変化を把握できていなかった。同社は今後、「空洞の分散状態を変えた際の力の分布と、亀裂特性について研究を継続し、耐摩耗性能に優れた環境負荷の少ないタイヤの開発を進める」としている。