自動運転EVを用いた捕集イメージ

 ブリヂストンは、タイヤ・路面摩耗粉塵(TRWP)の環境影響を把握するための実車捕集法を開発したと発表した。TRWPの粒径分布や飛散状況などの研究を加速させ、TRWPの発生抑制につなげる。

 タイヤのトレッドと道路舗装材から生じるTRWPの飛散状況を、高速度カメラとレーザー光を組み合わせて可視化。その結果を基に、実車のタイヤ全体を覆ってTRWPを効率的に捕集できる装置を新たに開発した。試験車両には自動運転の電気自動車(EV)を採用。排気粉塵やブレーキ粉塵の影響を排除した。

 合わせて、上島製作所(江場淳一社長、東京都国立市)と共同で、実験室規模で摩耗粉を生成・捕集可能な試験機を開発したと発表した。タイヤ製造や車両の準備、試験場所の環境整備などの条件を整えることなく、低コストかつ短期に試験が可能となる。

 今後、新手法で捕集したTRWPの活用などを通じて、物理的・科学的特性のさらなる解明や、環境への影響の把握、発生抑制につなげる。