PwCコンサルティング(安井正樹代表執行役CEO、東京都千代田区)は「スマートモビリティ総合研究所」を設立する。コミュニティーの形成や情報発信などを通じ、持続的なモビリティ社会システムの創造を推進する。
PwCコンサルティングは、ハード・ソフト双方でモビリティのデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)をより高度に実現することで、「モビリティ領域全体の変革(MX=モビリティ・トランスフォーメーション)ができる」とし、移動サービスやシェアリング、物流最適化などの社会変化を含め「スマートモビリティ社会が重要な領域となる」としている。
試算では、世界のモビリティ市場が2030年までに約2480兆円と、23年比で約700兆円、増加するとみられるうち、スマートモビリティ領域の増加は約260兆円分で、モビリティ市場全体の成長をけん引する。
こうした中で日系企業が価値を創出していくには、それぞれの企業や社会が持つ経験やノウハウ、人材やデータなどの資産を統合し、活用することがカギを握るとみられる。同総研を通じ、専門家らのノウハウやデータを産業や分野を横断する形でつなげ、活用できる環境を整え、培ってきた強みをより大きな価値に結び付けることを目指す。
同総研では①課題やあるべき姿、ステークホルダーや必須データなどのあり方を構想する「アーキテクチャデザイン」②リアルの場で有識者コミュニケーションを通じたアーキテクチャデザインの高度化と社会への浸透・認識共通化を図る「コミュニティハブ」③セミナーやレポートなどコンテンツを提供する「情報発信」④データを活用する基となる「モビリティ統合データ基盤」―などの活動を予定している。
矢澤嘉治所長は「産業間のつながりと共創を生み出す必要がある。考えに共感いただける方々の参画をお待ちする」と語った。