研究成果の概要

NTTは、人がジャンプする動きと、ボールが跳ね返る動きを脳で知覚した際に、「自然な見え方」に違いがあることを世界で初めて発見したと発表した。メタバースや映像表現でキャラクター類の動きをよりリアルにすることや、自動運転で人の動きをより正確に予測するといった技術につながる可能性があるという。

研究成果は、生物学を対象にした分野横断的な論文誌に掲載された。

ボールのような物体の跳ね返る様子をCG(コンピューターグラフィックス)などで見る際、地球上の実際の重力環境よりも小さい重力環境であるかのように設定されているほうが、「自然な動き」であると人が知覚する傾向があると従来、考えられている。一方で、人間のジャンプのような複雑な動きの見え方については手つかずだった。

NTTによると、さまざま心理実験などの結果、人のジャンプ動作のように複数の身体部位が協調的に動く運動では、地球上の重力の法則に従った動きの方が自然であると知覚する傾向があることがわかった。

これを活用すれば、メタバース空間や映像表現でのリアリティー向上に必要な要素が解明できることが期待される。自動運転や、重力の少ない宇宙空間でのアバターの動きなどに活用することも想定されるという。