【スペイン・タラゴナ=山本晃一】韓国・現代自動車グループのキアは2月27日、中型の電気自動車(EV)バンの新型車「PV5」の量産モデルを発表した。新開発のEV専用プラットフォーム「電動スケートボードアーキテクチャー」を採用し、モジュール化によりさまざまな架装やカスタマイズを柔軟に対応可能とした。最大400kmの航続距離と30分の急速充電機能を搭載し、ビジネスからレジャーまで幅広い用途向けに提案する。2025年後半から韓国と欧州に投入する。カナダにも投入し、日本市場にも26年に導入する。
日本市場では、双日が販売代理店となり、アフターサービスを含めて展開する。
PV5は、キアのEVの新たなグローバル事業戦略「プラットフォーム・ビヨンド・ビークル(PBV)」に基づく最初のモデル。「パッセンジャー」「カーゴ」「シャシーキャブ」など多彩なバリエーションを用意し、特殊な架装オプションを含むさまざまなバリエーションも追加する計画だ。
ボディーサイズは、全長4695mm、全幅1895mm、全高1923mm(アンテナ付き)、ホイールベース2995mm(パッセンジャーおよびカーゴロング)。
パワートレインは、120kW、250Nmのモーターで前輪を駆動する。バッテリーは、すべてのバージョンに51.5kWh、または71.2kWhを設定。さらにカーゴには43.3kWhもオプション設定した。71.2kWh搭載車は最大で400kmの航続距離を実現。また、30分で10%から80%まで充電可能な急速充電機能を搭載した 。
ソフト面では、韓国サムスン電子と提携し、サムスンが手掛ける家電などのIoT「スマート・シングス・プロ」と連携。利用時間に応じた車両冷蔵システムの調整や店舗設備との連動、店舗の在庫確認、セキュリティー管理など、企業活動でのさまざまな用途への対応を想定する。
価格は、欧州では3万5000ユーロ(600万円弱、税込み)を見込んでおり、日本での価格は未定とする。