東レは19日、合成繊維ナイロン66のケミカルリサイクル新技術を創出したと発表した。高温・高圧の水である亜臨界水を用いて解重合反応解析を行い、副反応を抑制する独自技術を開発した。

 石油を使った従来の製造法に対し、二酸化炭素(CO2)排出量を半減できる見込み。まずは自動車用素材での適応を視野に入れ、プラスチックリサイクルが法規制化される2030年頃を見据えて、本格量産を目指す。

 同社によると、ナイロン66は世界で年間約130万トンの市場規模があり、自動車用途ではエアバッグやタイヤコード、ラジエータータンクなどで素材として利用されている。

 ナイロン66のケミカルリサイクルは、2種類のモノマーを回収する必要がある。亜臨界水中におけるナイロン66に対し独自技術を使うことで、モノマーを高効率で回収できるという。25年には品質確認などを終え、30年に向けて量産体制を整える。