モータースポーツを通じ、整備士のスキルアップを目指す

 ダイハツ工業は、モータースポーツ活動を通じ、販売会社で働く整備士の確保や育成に取り組む。2025年から販売会社に勤める整備士がダイハツ工業に出向し、モータースポーツ活動に従事できるようにした。ダイハツが参戦するラリー競技を通じ、短時間で車体を修理する技能を磨いてもらうほか、華やかな競技で活躍する舞台を提供することで、整備士の採用拡大にもつなげる考えだ。

 ダイハツはSPKとともに「D―スポーツレーシングチーム」として競技活動を展開している。25年は、世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパンや全日本ラリー選手権などに参戦する計画だ。

 24年は、愛知ダイハツ(坪内孝暁社長)から整備士2人がダイハツのダイハツ・ガズー・レーシンググループに出向し、ダイハツのモータースポーツチームと1年ほど活動を共にした。25年からは全国の販社に対象を広げて希望者を募る。

 ダイハツ・ガズー・レーシンググループの殿村裕一氏は「できる限りすべての販社に波及させたい」とし、まずは1販社1人ずつ、最大4人を約1年間受け入れる。参加する整備士は書類審査で選ぶ。

 ダイハツとしては、こうした取り組みを整備士の採用にも生かしたい考え。殿村氏は「(仕事への)熱量が高い販社には人が集まりやすく採用にもつなげやすい。(モータースポーツで)人材確保の好循環を実現したい」と語った。