GNホールディングス(天野慎太郎社長、前橋市)は、第3回CSP大賞でSDGs貢献賞を受賞した。
同グループは、群馬県内で日産、ルノー、アウディ、UDトラックス、三菱ロジスネクストの販売・整備などを展開する。グループ全体で交換・排出されるエンジンオイル量は年間約44万㍑。廃油はエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)上、非化石燃料に分類。地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)では燃焼させても二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロとカウントされることを受け、交換したエンジンオイル(再生重油)を加温燃料として利活用し、ビニールハウス園芸によるイチゴ栽培を計画した。「ディーラーは地域に根差したビジネス。グループとして地域貢献を続けていくうえで私たちのビジネスとの親和性が高い」(渡邉将GNグループ経営戦略室マーケティング戦略部長兼アウディ営業部マーケティングマネージャー)と考えた。
そこで、2022年12月に農業法人「株式会社mino―Lio(ミノリオ)」を立ち上げた。23年度は1万㍑の再生重油を活用し、6㌧のイチゴを栽培した。栽培したイチゴはスーパーや結婚式場、県内の菓子屋、大手コンビニエンスストアなどに卸す。グループ内では販促ツールに栽培したイチゴを使うケースもあり、グループとしてのブランド価値向上にも効果を発揮しているという。
取り組みの継続とともに、CSP大賞受賞後は、「社員一人ひとりがミノリオに対して興味や関心を持ってくれることが増え、イチゴを買ってくれるなど、応援団が増えている印象」と白石彩香主任は実感する。また、地域住民らから「なぜ自動車ディーラーがイチゴを作っているのか」と興味を持たれることが増えたことも大きな変化の一つ。環境意識、循環社会の実現に向けて前向きであることが子どもたちの教育やリクルートにも良い面を表している。
また、地域貢献と環境意識を重視した取り組みを実践することで、行政主体の環境系のイベントや環境教育支援、マッチング、大学との連携などつながりも増えてきた。渡邉部長は「グループのブランディングのために、パイプの数を増やし、付き合いの太さをできるだけ太くしていきたい」と述べる。今後はこども食堂やふるさと納税への参画も視野に活動の幅をさらに広げていく。