スーパーオートバックス市川のヒョンデコーナー

 オートバックスセブンは2026年度を最終とする新たな中期経営計画において、出店や新チャンネルの拡大により世界で100拠点を増やす。新中計の戦略骨子の一つである顧客との「タッチポイントの創出」につなげるもの。実店舗に加え、電子商取引(EC)の基盤も強化する。同社は23年、32年度に売上高5千億円を目指す長期ビジョンを策定しており、これに基づく初の中計となる。主力のカー用品に加えて、電気自動車(EV)の販売など中長期的な自動車の変化に合わせた事業の育成も急ぎ、まずは中計完了時に23年度比21.8%増となる2800億円の売上高を目指す。

 同社が発表した新中計は、顧客にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで推進することを方向性として掲げている。この実現に向け、「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」などの3つの戦略骨子を設定。これに基づき、成長戦略を実行していく。

 中でも重要視しているのが、新規顧客の獲得に向けた接点づくりだ。主力の「オートバックス」をはじめとした販売チャンネルを、中計期間中に海外を含め100拠点追加する。また、同社はヒョンデ車の体験拠点を、大型拠点の「スーパーオートバックス」の7店舗に設置したことも明らかにした。用品の小売りだけではなく、次世代車の取り扱いなど同社が取り扱うさまざまなサービスの間口を広げることで、集客につなげる狙いだ。

 新たな顧客との接点として期待しているECサイトも、顧客の購買動向の変化に対応できるように充実させる方針。カー用品の販売を増やすだけではなく、取り付けなどでのピット作業の予約も獲得し、実店舗への来店誘導にもつなげる。

 同社は19年度に、23年度までの経営計画「5カ年ローリングプラン」を実施した。この間、事業基盤や収益体制の構造改革を進めてきた。同社では再成長につなげるための土台が構築できたと判断。長期ビジョンと新中計で、グループの成長ペースを速めていくことを決めた。13日の説明会で、堀井勇吾社長は「これまでに蓄えた力を発揮する」と目標達成への自信をみせた。