上半期の海上輸送は安定していたが…

 日本自動車輸入組合(JAIA、上野金太郎理事長)が4日発表した2023年度の外国メーカー車新規登録台数は、前年比0・5%減の24万4844台となり、5年連続で前年実績を割り込んだ。課題だった物流量の拡大による海上輸送のひっ迫が、上半期(23年4~9月)に安定。しかし、下半期(23年10月~24年3月)に重要な航路である紅海の情勢悪化で、一部ブランドで新車輸送の遅延が発生し、通期でのプラス転換に、あと一歩届かなかった。

 登録車全体に占める外国メーカー車のシェアは、同0・7%㌽減の8・4%。輸入電気自動車(EV)は同44・6%増の2万3807台で、外国メーカー車に占めるシェアは同3・0㌽増の9・7%だった。

 価格帯別では「400万円未満」が同17・8%減の5万4102台で、10年連続のマイナス。「400万円以上1千万円未満」が同4・4%増の14万455台で3年連続、「1千万円以上」も同17・1%増の3万8047台となり9年連続でプラスとなった。ポルシェやアストンマーティンが過去最高を更新するなど、プレミアムブランドの需要が旺盛だったものの、エントリー車の価格帯での落ち込みをカバーできなかった。

 乗用車のブランド別ではメルセデス・ベンツが9年連続で首位を獲得。これに、BMW、フォルクスワーゲンが続いた。

 日本メーカー車を含む輸入車全体は、同1・2%増の31万1268台で5年ぶりのプラス。このうち、日本メーカー車は同8・0%増の6万6424台で、3年ぶりに前年を超えた。ホンダがミニバン「オデッセイ」などで輸入を増やし、前年実績の約5倍の8543台に増加したことが大きかった。

 24年3月の外国メーカー車新規登録台数は前年同月比1・3%減の2万8250台で、3カ月連続のマイナス。登録車全体に占めるシェアは9・3%だった。輸入EVは同44・9%増の2818台を販売し、外国メーカー車に占めるシェアが10・0%となった。