自動車総連(金子晃浩会長)は、2024年春季労使交渉の回答状況(20日時点)を発表した。現在までに回答を得た186組合(全1048組合中)の平均賃上げ額が1万3896円(前年同時期比4067円増)となり、消費者物価指数の上昇率が20%超となった1974年(2万4093円)以来、50年ぶりの高い水準となった。賃上げ率は約5・6%。186組合のうち85組合が満額回答を得た。

 賃上げ額はベースアップ(ベア)相当の「賃金改善分」と、定期昇給(定昇)相当の「賃金カーブ維持分」の合計額だ。1万3896円のうちベア分は9448円(同4174円増)だった。

 自動車メーカーなど大手がつくった賃上げの流れが中小企業にも波及しており、組合員300人未満の企業の賃上げ額も1万2211円(同4084円増)に上昇した(回答を得た48組合平均)。このうちベア分は8614円(同4235円増)で、20組合が満額回答を得た。

 金子会長は「まだ(交渉は)緒に就いたばかり。(残りの労使の)経営環境にはばらつきがあるが、総連としても環境整備を支援していく」と語った。