北米では電動コンプレッサーの生産・販売を強化する(サンデンインターナショナルUSA)

 サンデンは、2028年度を最終年度とする新中期経営計画「シフト2028」をまとめた。主に欧米や中国の自動車市場に向け、電動コンプレッサーを中心とする「統合熱マネジメントシステム」を売り込む。最終年度となる28年12月期には、23年12月期比で連結売上高が6割増の3千億円、経常利益は90億円(23年12月期は84億円の赤字)を目指す。

 同社は、サンデンホールディングス(HD)だった20年6月当時に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請、21年から中国家電大手の海信集団(ハイセンス)グループと資本業務提携し、事業再生計画のもと経営再建を進めてきた。23年で事業再生計画期間が終了し、新中計を策定した。

 新中計の5年間を「事業成長フェーズ」と位置づけ、新エネルギー車(NEV)市場をターゲットに統合熱マネジメントシステムの拡販を強化する。まず、欧州ではすでにコンプレッサーなどの供給で実績がある自動車メーカー向けに統合熱マネジメントシステムを売り込む。中国では外資系自動車メーカーのほか、ハイセンスグループと連携して地場系自動車メーカーへの営業活動を強化する。北米では低燃費ニーズを背景に電動コンプレッサーの生産・販売を強化する。

 このほか、サプライチェーン(供給網)や生産体制の最適化、人材開発、デジタル化による組織運営の効率化などにも取り組む。詳細は26日の説明会で公表する。

 中計と同時に発表した23年12月期連結業績は、売上高、利益ともに前回予想を下回った。売上高は前回予想比2・0%減の約1793億円。営業損益は約110億円の赤字で、赤字幅が53億円ほど拡大した。経常損益は約84億円の赤字、当期損益も約34億円の赤字だった。

 24年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比0・4%増の1800億円、営業損益は68億円の赤字、当期損益も16億円の赤字とした。