ソニー・ホンダモビリティの川西泉社長は「人とモビリティの関係性を再定義する」と語った

【米ラスベガス=中村俊甫】ソニー・ホンダモビリティ(川西泉社長兼COO、東京都港区)は開催中の「CES2024」で、2026年に発売する電気自動車(EV)「アフィーラ」の最新プロトタイプを発表した。モーター出力やバッテリー容量などを初公表するとともに、米マイクロソフトなどと協業し、生成人工知能(AI)を活用していく。自動駐車機能や対話型アシスタントなどを備えたモビリティとする考えだ。

アフィーラの駆動モーターは永久磁石式で、出力は前後ともに180キロワット(約245馬力)。リチウムイオン電池の容量は91キロワット時と明らかにした。

同社はCES2024の記者会見で、米マイクロソフトとの協業も発表。「マイクロソフト アジュール オープンAIサービス」を活用し、対話型AIを通して乗員に合ったコンテンツを展開し、利便性や快適性を高める。従来から協業している米エピックゲームスとは、交通状況など外部環境をシミュレーションし、AR(拡張現実)と組み合わせ表示して安全性を高めるという。

AIは先進運転支援システム(ADAS)でも活用する。アフィーラは、車内外のセンサーとカメラで車両周辺を360度検知するが、画像認識や経路の推定にAIを用いて性能を高め、特定条件下での自動運転「レベル3(条件付き自動運転)」や自動駐車機能も実装していく。円滑な情報処理のため、米クアルコムテクノロジーズの高性能SoC(システム・オン・チップ)も搭載する。

同社はこのほか、内装にはバイオマス(生物由来)素材を積極的に用いるといった車両仕様を公表した。外観デザインは昨年から大きな変化はないが、センシング技術やAIをフル活用し、人に寄り添う新たなモビリティの実現を目指す。