小糸製作所は、米セプトンの子会社化に向け、株式取得に関する交渉を始めると発表した。21日の取締役会で決議した。小糸製作所はセプトンの子会社化により、LiDAR(ライダー、レーザースキャナー)事業における開発や供給、品質など市場競争力の強化を目指す。
両社は、2018年から車載用LiDARの共同開発を始め、中距離用LiDARの開発・量産準備をすでに終えた。現在は長距離用と短距離用の開発に着手している。LiDARには、セプトンの「マイクロモーションテクノロジー(MMT)」と呼ぶ振動でレーザー光を照射する特許技術を用いている。MMTは摺動(しゅうどう)部がないため耐久性が高く、車載用LiDARのほか、移動体検知システムにも活用している。
16年4月に設立されたセプトンはLiDARの製造と販売を手がける。22年2月には米ナスダック市場に上場した。セプトンの普通株式196万2474株と普通株式に転換可能な無議決権優先株式10万株は小糸製作所が保有する。小糸製作所の取締役1人と執行役員1人がセプトンの取締役も務める。