小糸製作所とデンソーは19日、自動車の夜間走行時の安全性向上に向けた協業を開始したと発表した。両社は車両のランプと画像センサーを協調させて、画像センサーの物体認識効率の向上を実現するシステム開発を検討する。

 今回の協業では、小糸のハイビームの配光制御技術とデンソーの画像センサーの物体認識技術を利用し、夜間の歩行者死亡事故の低減に寄与する技術開発を進める。画像センサーが歩行者を従来以上に早く認識できるライティングが実現できるかなどの具体的な開発テーマを設定して取り組む。交通事故総合分析センター(佐々木真郎理事長、東京都千代田区)によると夜間の歩行者死亡事故は昼間に比べて約2倍に増える傾向があるという。こうした社会的課題の解決にも寄与する。

 小糸の勝田隆之専務執行役員技術本部長は「今回の協業は次世代モビリティの実現に大きく貢献できる」と語った。また、デンソーの近藤浩モビリティエレクトロニクス事業グループ長は「小糸とのパートナーシップで交通事故死亡者ゼロという目標達成に向けて力強く取り組む」とした。