小糸製作所は、宮城県名取市に自動車用ランプの工場を新設すると発表した。同社が東北地方に進出するのは初めて。土地や建物、設備を含めて100億円超を投じ、2027年3月期中に稼働させる。自動車用ヘッドランプやリアコンビネーションランプをそれぞれ年間50万台分、生産する計画だ。

 名取市内の「愛島西部工業団地」に建設する。最新の自動化技術を取り入れて省人化するほか、検品では人工知能(AI)などの活用も視野に入れる。29年~30年には無人ラインも目指す考えだ。

 カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)対応として「グリーン電力」の購入や太陽光発電設備、省エネ設備の導入などを予定する。工場の敷地面積は約7万8千平方㍍。工場開設に伴う新規雇用者数などは明らかにしていない。

 同社は、自動車用ランプを静岡県内の3工場とグループ会社の小糸九州(佐賀県佐賀市)で生産している。東北地方における自動車生産への対応や、BCP(事業継続計画)対策などの観点から新工場の建設を決めた。