ダイハツ工業とトヨタ自動車は12月20日、認証申請の不正に関する記者会見を都内で実施した。ダイハツの奥平総一郎社長は、出荷の再開時期について「今は答えられない。全員で一日も早く再開できるよう努力したい」と述べた。21日の国土交通省の立ち入り検査の結果などを踏まえ、再開時期が決まることになるが、出荷開始までの長期化する可能性がある。現在の国内の受注残は6万台としており、それらの顧客の多くは当面、時期未定の状態で納車を待つことになる。出荷済みの車両は販売会社ごとに顧客と対話し、納車するかどうか判断する。

不正対象車をすでに納車した顧客に向けては「まずもって申し訳ない」と謝罪した。今回の不正の対象になったモデルのうち国内で販売中の27車種の累計販売台数は約400万台にも上る。ただ、奥平社長は「我々は安全にこだわって調査してきた。社内の調査ではあるものの、安心して乗り続けていただく上で問題がある事象も発生していない」と述べ、使用では安全上の問題がないことを強調した。

一方、今回の不正を検証する中で「キャスト」の側面衝突試験では、「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が法規に適合しない可能性が判明した。今後リコールなどの市場措置が発生する可能性がある。

今回の不正で影響を受けた顧客や部品メーカー、販売会社に対して星加宏昌副社長は「仕入れ先や販売会社、顧客の意見を聞いて補償案件がないか調べていく」と考えを示した。